機械の中の学習日誌

社畜によるIT技術メモです。今日も元気です。

心理統計まとめ - 7-

前回のつづき

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7章 「3つ以上の平均を比べよう(分散分析)」

3つ以上の平均値を比べる

3つ以上のグループの平均値を比べたい時は、分散分析を利用する。

群の平均値の平均値の比較を、全体のばらつき(分散)を2つのばらつき(分散)に分解して分析しようとするのが分散分析。

 全体平方和 = 群間平方和 + 群内平方和

分散分析の手順(1要因被験者間計画)

  1. 帰無仮説と対立仮説の設定:
    帰無仮説  H _ {0} : \mu _ {A} = \mu _ {B} = \mu _ {C}  A,B,C3つの母平均は等しい
    対立仮説  H _ {1} : H _ {0}ではない
  2. 検定統計量の選択:Fという検定統計量を利用
  3. 有意水準αの決定
  4. 検定統計量の実現値を求める:データからFを求めるために分散分析表を作成する
  5. 帰無仮説の棄却または採択の決定:F分布を用いて検定統計量Fの棄却域を決める

多重比較

分散分析をやっただけでは、具体的にどの群とどの群の間に有意差があるかは分からない。どの条件とどの条件の間に差があるのかを確かめるために行う分析を多重比較という。

主な多重比較の方法

  • テューキーの方法
  • フィッシャーのLSD
  • ニューマン・クルーズの方法
  • ダネットの方法
  • シェッフェの方法
  • ボンフェローニの方法

実験計画

要因と水準

言葉 英語表記 意味
要因 factor データの値を変化させる要因のこと。ハンバーガーのおいしさの違いについて、その原因として会社を考えるのであれば、要因はハンバーガーの会社であり、要因の数は1(1要因とよぶ)
水準 level 要因を構成する条件のこと。ハンバーガーの会社が3つあれば水準数は3

被験者間計画と被験者内計画

言葉 英語表記 意味
被験者間計画 between-subjects design 1人の被験者を1つの条件にのみ割り当てる。
対応のないデータ(独立なデータ)に相当
被験者内計画 within-subject design 同じ被験者が複数の条件を経験する。
対応のあるデータに相当。

主効果と交互作用

言葉 英語表記 意味
主効果 main effect その要因だけによる単独の効果のこと
交互作用 interaction 2要因以上の実験計画において、ある要因が従属変数に及ぼす影響の「大きさ」または「方向」が、他の要因の水準によってことなること

1要因被験者内計画

被験者間計画と被験者内計画の平方和の違い

  • 1要因被験者間計画では、群という要因で説明されるもの以外はすべて誤差とみなしていた。
  • これに対し、1要因被験者内計画では、群内平方和をさらに分割する。具体的には、個人差によって説明できる平方和を考えて、群内平方和を個人差による平方和とそれ以外とに分割する。

1要因被験者間計画

全体平方和 = 群間平方和 + 郡内平方和(誤差平方和)

1要因被験者内計画

全体平方和 = 条件平方和 + 個人差による平方和 + 残差平方和

※群間平方和を条件平方和と名前を変更している。

2要因被験者間計画

2要因の分散分析では、要因Aの主効果、要因Bの主効果、交互作用の3つの検定が一度に行われる。

全体平方和 = 要因Aの主効果の平方和 + 要因Bの主効果の平方和 
            + 交互作用の平方和 
            + 残差の平方和

2要因被験者内計画

2要因被験者間計画との違いは「誤差の平方和」を4つに分解する点。

全体平方和 = 要因Aの主効果の平方和 + 要因Bの主効果の平方和 
           + 交互作用の平方和 
           + (個人差の平方和 + 要因Aに対する残差の平方和 + 要因Bに対する残差の平方和 
           + 交互作用に対する誤差の平方和)

2要因混合計画

一方の要因は被験者間計画、もう一方は被験者内計画という2つの性質を合わせもつ計画。

全体平方和 = 被験者間の平方和 + 被験者内の平方和
           = (要因Aの主効果の平方和 + 被験者間の誤差の平方和 )
           + (要因Bの主効果の平方和 + 交互作用の平方和 + 被験者内の誤差の平方和)