心理統計 まとめ -2-
2章まとめ
尺度水準
- 尺度:何かを測定するときに必要な「ものさし」
- 尺度水準:尺度の性能のランク。
尺度水準 | 可能な計算 | 必要な条件 | 扱える変数 | 例 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
比率尺度 | ×, ÷, +, - | 絶対的原点 | 量的変数 | 身長・体重 | *1 |
間隔尺度 | +, - | 等間隔性 | 量的変数 | 西暦年、温度 | *2 |
順序尺度 | 大小関係の比較 | 順序性 | 量的変数 | 成績の順位 | |
名義尺度 | 質的変数 | 血液型 |
*1: 0は何もないことを表す。測定された値同士の関係を何倍かという形で表現できる
*2: 0であっても何もないことは意味しない
尺度水準と変数変換
変数変換は、尺度水準ごとに必要な条件を満たす範囲、尺度の性質を損なわずにできる変換を行う必要がある。
尺度水準 | 必要な条件 | 定数倍 | 線形変換 | 単調変換 | 1対1変換 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|---|
比率尺度 | 絶対的原点 | 〇 | × | × | × | *3 |
間隔尺度 | 等間隔性 | 〇 | 〇 | × | × | |
順序尺度 | 順序性 | 〇 | 〇 | 〇 | × | |
名義尺度 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
- 定数倍:変数にある数を含む。
- 線形変換:y=ax+b
- 単調変換: 順序性を保ちながら他の値に変換する。
- 1対1変換:他の何かに置き換える変換。
定数倍 ⊂ 間隔尺度 ⊂ 順序尺度 ⊂ 名義尺度
代表値
平均、中央値、最頻値。
代表値の指標とその特徴
長所 | 短所 | |
---|---|---|
平均 | データをすべて用いるため、データの持つ情報を有効に使っている。 | 外れ値の影響を受けやすい |
中央値 | 外れ値の影響を受けにくい | 単に真ん中の値であるという事以上の意味はなく、中央値よりも大きなものと小さなものがどのような値、分布でも、それらの点は中央値に反映されない。 |
最頻値 | 外れ値の影響を受けにくい | 最頻値が分布の端に位置した場合、データを適切に代表するとはいいがたい。 |
散布度
どれだけちらばっているかに関する指標。
偏差、平均偏差、標準偏差、範囲
偏差:個々のデータの値が平均からどれだけずれているか。
平均偏差:偏差の絶対値の平均。平均をデータの代表値と考えた時にどれくらいになるかを示したもの
分散:偏差を2乗してそれらの平均を散布度の指標としたもの。平均をデータの代表値と考えた時に平均からの偏差の2乗がデータ全体でどれくらいになるかを示したもの。
標準偏差:分散のルートをとって単位を元に戻す。
範囲:データの最大値と最小値の差として定義